FIREにおいて、不動産投資は魅力的のはずだが。。。
FIRE生活において、不動産投資で不労所得を得ている人はたくさんいると思います。私が良く見るYoutubeでも、不動産メインのチャンネルは非常にたくさんあります。
私も普段いくつかのYoutubeチャンネルを見ています。もふもふ不動産とか、ヒトデせいやチャンネルのせいやさんの動画とか、不動産コンサルタントの長嶋修さんのチャンネルとか、色々見てます。
ですが、不動産というものには手を出さずにいます。
これには2つ理由があります。
- 不動産投資は不労所得ではない
- 不動産投資より、株式投資のほうが割がいい(と思っている)
不動産投資は不労所得ではない
まず、不動産投資は不労所得とは呼べないという点についてです。
不動産投資をする場合、下記のような手間が発生すると考えています。
- 物件探し
- 物件の購入、ローン
- 管理会社の選択、契約
- 住居者の募集
- リフォーム
- 不具合があった場合の修繕
頻度は少ないかもしれませんが、物件を複数持てば、それなりの稼働がかかり続けることになります。
この場合は、もはや不労ではなく、専業の大家業という自営業になるのではないか、そう考えています。
また、この資産を自分が亡くなるときに、誰に引き継ぐのか、それも気になるところです。子供に引き継ぐのか、売却するのか。
正直、私の場合は不動産を引継ぎたいとは思いますが。相続するなら金銭や金融資産のほうが良いです。
不動産投資より、株式投資のほうが割がいい
これは、自分自身の住宅購入のときの試算でますますそう思うようになりました。
私は10年住んだ部屋を買い取ったわけですが、計算したところ、この部屋のオーナーは全然儲かっていないことがわかりました。
もちろん、儲かってはいるのですが、株式投資をした場合と比較すると、圧倒的に儲からない、ということになります。
ここで、私がしてみて資産を紹介します。
まず、仮定として、この物件は築40年で、新築当初からずっと賃貸に出していたことにします。(実際は違いましたが。)
私が購入したのは2600万円ですが、販売された1981年当時は、少なく見積もっても5000万円はしていたと思われます。(近所に億ションだったという噂のマンションがあるのですが、設備としては大差ないように思えました。)
その前提で、計算してみます。
オーナーの収益を計算してみる
オーナーの収益を、収入と支出から算出してみます。
収入
- 家賃: 13万✕12ヶ月✕40年=6240万円
- ただ、築浅のときはもっと高く貸せていたはずなので、8000万円とします。
- 売却金額
- 2600万円
支出
- 物件購入費:5000万円
- 修繕積立金 1.2万✕12ヶ月✕40年=576万円
- リフォーム費: 1000万円
- 管理手数料: 家賃の5%と仮定し、400万円
- 固定資産税: 年15万✕40年=600万円
差し引き
差し引きすると、ざっくり3500万円くらいとなりました。
もう少し多めに4000万だとして、5000万円が40年後に9000万円になったとすると、利回りだと1.5%という計算になります。
不動産じゃなくて、S&P500に投資していたら
では、この5000万円を、マンションの購入ではなく、S&P500の購入に用いて、40年間ホールドしていたら、どうなったでしょう?
S&P500の過去のチャートを見ていると、ざっくり価格はこんな感じです。
- 1981年1月:140ドルくらい
- 2021年1月:3500ドルくらい
40年で、ざっくり25倍です。
ということは、1981年の5000万円が、2021年には12億5000万円になっていたことになります。
これは結果論に過ぎず、実際は40年もS&P500を鬼ホールドし続けられる人なんていないでしょうから、取らぬ狸の皮算用ではあるのですが、それでも、利益が4000万と12億では差がありすぎて、不動産投資をした人が可愛そうになります。
資産がある人は株式投資のほうがずっと良い
というわけで、ここでは5000万円を持っている場合は、そのお金で投資用マンションを買うより、株式投資に回したほうがずっと利益が得られるという過去の実績を見てきました。
ただ、これはあくまでも資産がある人の話で、手元に現金があれば株式投資のほうが良いですが、そうでない人にはこの比較は無意味です。
では、不動産投資にはメリットはないのか。
もちろん、不動産投資には株式投資にはないメリットがあります。
それは、手元に現金がなくても、ローンという形で資金を調達して投資ができるという点です。
不動産投資にだけ許された特権?
何故かわかりませんが、銀行は金融資産投資をするという理由ではお金を貸してくれませんが、不動産投資であれば、それがマイホーム購入であれ、投資用マンション購入であれば、お金を貸してくれます。
これが不動産投資の唯一にして最大のメリットだと思っています。
つまり、不動産投資とローンはセットということです。
FIREする前に不動産を買うのはありか?
ここは考え方によりますが、人によってはありだと思います。
FIREする前であれば、会社員という肩書もあるので、低金利で銀行からお金を調達しやすいでしょう。その資金で投資用マンションを買うというのもありかもしれません。
でも、それは、十分な収益率があげられれば、の話です。
正直、表面利回り5%程度ではリスクに対してリターンが見合わないので、全く魅力を感じません。
以前リノシーについて記事にしましたが、私の考えでは、不動産投資の最大のメリットは、会社員という属性を生かして銀行から低利でお金を借りることなので、この借りたお金を運用したときの利益を、私とリノシーでどのように按分するのか、というところに興味があり、そのような質問をしてみました。
しかし、その時の答えが、ローン返済中は儲けにならず、儲かるのはローン返済後からだ、みたいな回答なので、ダメダコリャ、となったわけです。
ただ、表面利回りが10%を超えるような投資であれば、それは魅力的でしょう。
ですが、そのような物件は自分で探すしかなく、それは上に書いたように不労所得とは呼べず、だたの自営業となることから、私は不動産投資はおそらくしないと思います。