「あのこは貴族」を見ました。
Youtubeでよく岡田斗司夫さんの動画を見ているのですが、そのなかで「あのこは貴族」という映画が紹介されていたので、気になってみてみました。
家柄って恐ろしい
この映画では、華子と美紀という二人の女性が描かれています。華子はいわゆる上流階級の育ちで、家は渋谷の松濤、毎年お祖母様の新年会に高級なお店で親族が集まるという家系です。一方で、美紀は田舎出身で、慶応大学に入学するものの、内部生との経済格差に驚き、家庭の事情で費用が賄えなくなり、退学して苦労しながら東京に留まる。そこに青木幸一郎という男性が現れ、華子と結婚するのですが、一方では美紀とも切れていない、というそんな関係があるなか、物語は進んでいきます。
結局、華子と幸一郎は離婚することになるのですが、その原因ともなっているのが、上流階級だからこその不自由さ、でした。
幸一郎の家柄は華子をも凌ぐ名家で、政治家を排出し、自分も出馬することが運命づけられている、そんな家でした。華子との会話で夢の話が出た時、幸一郎は「まともに家が継ぎたいだけだ。夢とか展望じゃなくて、そういうふうに育てられただけ。」と答えました。
幸一郎の家ではなにもかもがレールに敷かれていて、祖父、父のいうことは絶対のような雰囲気で、華子と結婚する際は、祖父が興信所を使って華子を調べさせていました。
幸一郎も華子も東京の一等地に住み、経済的には不自由のない生活だったのでしょう。作中でも華子はいつもタクシーです。
でも、私にはその家柄は恐ろしい、そんな家には生まれたくない。そんなふうに思いました。
自由って素晴らしい
この映画を見た一番の感想は、「自由って素晴らしい」ってこと。
家柄に縛られてしまうと、結婚相手すら制限されてしまう。
一方で、お金がないと、それはそれで得られるものも限られてしまいます。作中、華子が幸一郎と出会う前、焦って階級が離れすぎた人と汚い居酒屋で会おうとするシーンが有るのですが、あのトイレの汚い店は私でも嫌です。
やはり、居心地の良い環境というのは人それぞれなのだと思います。
少なくとも、私は今の生活は居心地が良いです。私が行く店は庶民的なお店で、くら寿司とかサイゼリヤとか大好きです。正直、作中に出てきたアフタヌーンティー4200円のレストランでは、会計が心配でくつろげないでしょう。以前手相を見てもらうときに行ったホテルのラウンジも紅茶が1600円もして、バカ高いな、と思った記憶があり、あそこも物理的にはともかく、心理的には落ち着けなかったです。
結婚相手も同じような階層の相手で金銭感覚も同じくらいなので、とても居心地が良いです。
そして、なんのレールもないので、FIREすることだって出来ます。もちろん、多少の説明や説得は必要ですが、継がなくてはならないものがないということはとても気楽です。
社長の家に生まれたい、という人もよくいますが、私なら御免です。創業者であれば事業を売却して引退できるかもしれませんが、代々続くようなところではそうもいきません。トヨタ自動車の社長の家に生まれるとか、絶対に嫌ですね。
そんなわけで、あらためて自分がいかに恵まれているか、今までの人生がラッキーだったかを再認識できた映画でした。
自分が持つ幸運をよりよく活かしていきたい、そう感じています。