ここでは、私のレバレッジETF投資戦略を紹介します。
ただ、この戦略は正直かなりのメンタルを要するので、万人にオススメできるものではありません。この戦略を理解し、納得した人だけ試してもらえれば、と思います。
戦略の内容
- レバレッジETFもしくは投資信託を最高値の半額になった時点で購入する。
- 購入する金額は、最大で投資資金の1割~15%程度を想定
- 最高値を更新したら売却し、レバレッジなしのETFもしくは投資信託に乗り換え
- その他の契機で売るとしたら、例えば週足RSIが70を超えたときなど、事前決めた条件を満たしたとき。
- 価格が下がったら、当初購入した価格を維持する形で買い増し
- 例えば、最高値200ドルのETFが100ドルに値下がりしたときに、1000万円分購入したとする。
- 値下がりし、80ドルに下がったとしたら、800万円まで資産が減ることになるため、200万円分買い増す。
- さらに値下がりし、50ドルに下がったとしたら、また1000万円を維持するまで買い増す。
- 買い増すときの資金が足りない場合、金やレバレッジでないインデックス商品を売って資金とする。
この戦略の基本的考え方
- インデックス商品はいつかは高値を更新するから、長期投資に向いている。
- レバレッジ商品は上昇相場のときは大きく資産を増やすことができるが、暴落時に最大9割減になるリスクも有り、長期保有をするのはメンタル的に難しい。
- 暴落時に購入することができれば、その後回復する過程で大きく利益を伸ばすことができる。
- インデックスは長期的にはいつかは最高値を更新するため、レバレッジ商品もいつかは最高値を超えると期待できる。(ただし、最高値を超えるのはレバレッジなしの商品よりも時期が遅くなる。)
- 最高値の半値になったときに購入すれば、72の法則で、仮に1年で回復したら年利72%、3年なら24%、6年でも12%であり、インデックス長期投資の平均収益率を上回ることが期待できる。
この戦略を考えたきっかけ
この戦略を考えたのは、2020年のコロナショックのときでした。
コロナショックの前年、2019年にレバレッジETFであるSPXL, SPXSを知ったのですが、コロナショックの半年以上前に暴落を予想してSPXSを2000万円程度購入し、大きく損失をしました。(400万円の損切りを2回ほどしました。)
その後、ポジションがないときにコロナショックが発生したのですが、2019年のSPXSでの損失を今度はSPXLで挽回しようと考えました。
SPXLですが、コロナショック前の高値である76ドルから40ドルまで下がったときに買いました。が、その後もものすごい勢いで下がるため、怖くなってすぐに売りました。
その後は覚悟を決め、30ドルまで下がったときに再び買い始めました。
買い始めたのは良いのですが、更に下がり、損失はみるみる膨れ上がりました。毎日恐怖との戦いで、とても安心して眠れるような状況ではありませんでした。
やけになって指値をしました。15ドル、10ドル、5ドルでも指値しました。
が、結局そこまで下がることはなく、17ドルから反発しました。
当時はリーマンショックと同様、2番底が来ると予想しており、再びの下落を待っていました。が、この下落も結局訪れることはありませんでした。
最終的には、平均取得単価23ドルで3000株ほど購入したので、日本円で700万円程度の投資となりましたが、本当は2000万円以上投資したいと考えており、1/3程度しか買えませんでした。
その後、最高値を更新した75ドルから80ドル近辺で3000株売ったので、単純計算で差額50ドル✕3000株の1500万円ほどの利益が出ました。が、本来得られたはずの利益と比べると、かなり小さなものになってしまいました。
戦略の実践(が、2021年9月時点では苦しい)
レバレッジETFを最高値の半値になったら購入するという戦略を試してみたいと思っていたのですが、その条件に合うETFなど2021年春時点ではありませんでした。
が、Youtubeで見ていたスピンさんの動画で、CWEBの存在を知り、調べたところ、ちょうど最高値の半値まで下がっていたことがわかりました。
正直言って、中国共産党は大嫌いで、Youtubeでも闇のくまさんの動画などをよく見ていたので、中国への投資は躊躇われました。個人的な感情としては否定的でした。
が、この戦略を試したいという欲望がそれを上回ってしまいました。
52ドルから買い始め、当時は最大投資額は約800万円(1600株)までと考えていたのですが、価格が下がってナンピンするうちに、平均取得単価を下げようとする感情でいつのまにか1000万円を超えていました。さらに価格が下がり、900万円になったとき、1000万円を維持するだけの買い増しをしました。その後も更に下がり続けましたが、同じように1000万円を回復するだけ買い増しました。
その結果、2021年9月5日時点では、5400株、投入金額1940万円、含み損500万円(最大時は910万円)という状況になっています。
これがどうなるかはわかりません。今後元の価格に戻らないかもしれません。
それでもやめない理由
CWEBでは今のところ大損していますが、それでもこの戦略をやめない理由は、次の暴落に備えるためです。
今は好調なSPXL, TECL, WEBL, TQQQ, QLD等もいずれは暴落が来ます。そのときに、同じ戦略を取れるか、メンタルを保てるか、そのためのトライアルとして下落に耐えています。
現在の平均取得単価は34ドル程度ですが、100ドルに戻ることがないとしても、長期的には高値圏に戻るタイミングがあるはずで、そのタイミングで売ろうと考えています。
100ドルに戻る前に週足RSIが70を超える時が来れば、そのときにはかなりの量を売ることになると予想しています。
恐ろしいのは、今後さらにさがり、10ドル、果ては5ドルまで来ることです。ありえないとは言い切れません。そのときに、この戦略を取ることができるか、わかりません。
ただ、1つわかっているのは、どのような結果になっても、何かしらの学びがあるということ。その学びをこの戦略の修正に活かすだけです。
コロナショックのときにSPXLでこの戦略を使っていたら?
コロナショックのときにもしこの戦略を使っていたらどうなっていたか、試算しました。
実際私がコロナショック時にSPXLで得た利益は1500万円ほどでしたが、この戦略で2000万円投入していたとしたら、5000万円ほどの利益が出ていた計算になります。ただし、最大時の含み損は1500万円ほどになります。この損失にメンタルが耐えられるかどうかが試されます。
基準資金 200000
コロナ前最高値 76ドル
コロナ時最安値 17ドル
価格 | 評価額 | 投入資金 | 購入数 | 累計口数 | 累積投入資金 | 累積収支 | 76ドル復帰時資産 | 76ドル復帰時利益 |
38 | 5,263 | 5,263 | 200,000 | 0 | 400,000 | 200,000 | ||
36.1 | 190,000 | 10,000 | 277 | 5,540 | 210,000 | -10,000 | 421,053 | 211,053 |
34.3 | 190,000 | 10,000 | 292 | 5,832 | 220,000 | -20,000 | 443,213 | 223,213 |
32.6 | 190,000 | 10,000 | 307 | 6,139 | 230,000 | -30,000 | 466,540 | 236,540 |
31.0 | 190,000 | 10,000 | 323 | 6,462 | 240,000 | -40,000 | 491,095 | 251,095 |
29.4 | 190,000 | 10,000 | 340 | 6,802 | 250,000 | -50,000 | 516,942 | 266,942 |
27.9 | 190,000 | 10,000 | 358 | 7,160 | 260,000 | -60,000 | 544,150 | 284,150 |
26.5 | 190,000 | 10,000 | 377 | 7,537 | 270,000 | -70,000 | 572,789 | 302,789 |
25.2 | 190,000 | 10,000 | 397 | 7,933 | 280,000 | -80,000 | 602,936 | 322,936 |
23.9 | 190,000 | 10,000 | 418 | 8,351 | 290,000 | -90,000 | 634,669 | 344,669 |
22.8 | 190,000 | 10,000 | 440 | 8,790 | 300,000 | -100,000 | 668,073 | 368,073 |
21.6 | 190,000 | 10,000 | 463 | 9,253 | 310,000 | -110,000 | 703,235 | 393,235 |
20.5 | 190,000 | 10,000 | 487 | 9,740 | 320,000 | -120,000 | 740,247 | 420,247 |
19.5 | 190,000 | 10,000 | 513 | 10,253 | 330,000 | -130,000 | 779,207 | 449,207 |
18.5 | 190,000 | 10,000 | 540 | 10,792 | 340,000 | -140,000 | 820,218 | 480,218 |
17.6 | 190,000 | 10,000 | 568 | 11,360 | 350,000 | -150,000 | 863,388 | 513,388 |
16.7 | 190,000 | 10,000 | 598 | 11,958 | 360,000 | -160,000 | 908,829 | 548,829 |
15.9 | 190,000 | 10,000 | 629 | 12,588 | 370,000 | -170,000 | 956,662 | 586,662 |
15.1 | 190,000 | 10,000 | 663 | 13,250 | 380,000 | -180,000 | 1,007,013 | 627,013 |
14.3 | 190,000 | 10,000 | 697 | 13,948 | 390,000 | -190,000 | 1,060,014 | 670,014 |
13.6 | 190,000 | 10,000 | 734 | 14,682 | 400,000 | -200,000 | 1,115,804 | 715,804 |
12.9 | 190,000 | 10,000 | 773 | 15,454 | 410,000 | -210,000 | 1,174,530 | 764,530 |
12.3 | 190,000 | 10,000 | 813 | 16,268 | 420,000 | -220,000 | 1,236,348 | 816,348 |
11.7 | 190,000 | 10,000 | 856 | 17,124 | 430,000 | -230,000 | 1,301,419 | 871,419 |
11.1 | 190,000 | 10,000 | 901 | 18,025 | 440,000 | -240,000 | 1,369,915 | 929,915 |
実際 | ||||||||
評価額 | 投入資金(仮) | 購入数 | 累計口数 | 累積投入資金 | 累積収支 | 76ドル復帰時資産 | 76ドル復帰時利益 | |
23 | 3,000 | 3,000 | 69,000 | 0 | 228,000 | 159,000 |
まとめ
この戦略ですが、正直万人におすすめできるものでありません。というか、精神が持たない人がほとんどでしょう。私のように暴落でゾクゾクできるギャンブラーしかできないし、また、やるべきでもないと思います。
この戦略は単なる欲張りの戦略であって、やけどする可能性も高いです。敗者のゲームといっても過言ではありません。
でも、私は投資スタイルは人それぞれで、万人にあう投資手法なんてない、その人にあった手法は自分で見つけるしかない、という思いが強いので、この戦略が私にあっているのか、引き続き試していこうと思っています。