FIREについて思うこと

お金を使い切らずに死ぬのは何年もタダ働きするのと同じ?

Die with Zeroをまた聴き始めました。

今日は家族で出かけていたのですが、帰宅してから夕食の買い物に行くとき、散歩しながらAudibleDie with Zeroを聴いていました。

Die with Zero私がFIREすることを決心した本なのですが、Die with Zeroが伝える下の2つの考え方についてはこちらの記事でも書いている通り、私は完全に同意しています。

  • 人生の仕事は思い出を残すこと
  • お金から経験を引き出す能力は年を追うごとに低くなる

その中の一節で、こんな言葉がありました。

  • お金を使い切らずに死ぬのは、何年もタダ働きするのと同じこと。
  • お金を使い切らずに死ぬくらいなら、その分早くリタイアして経験・思い出を作るべき

この言葉、ものすごく重く、とても考えさせられます。

確かに、Die with Zeroの価値観で考えると、自分が使わないお金を残すということは、その分思い出作りではなく仕事に時間を費やすということなので、大きな損失ということになります。

この考えを伝えるために、著者は40億ドルも稼いでから引退した友人を引き合いに出していました。もともとこの方は1500万ドルを貯めたら仕事を辞めるつもりでいたそうですが、辞めずに何年も仕事を続けた結果、結局やめたのは40億ドルになってから、という話でした。

このことに対して、著者はもっと早くやめておくべきだった、と言っています。もっと早くやめておけば、まだ幼かったころの子供と接する時間を十分に持てたのではないか、とか。若いころにしかできない経験をもっとすることができたはずだ、とそう言っています。

また、経験・思い出は資産運用と同じく早くに始めた方が複利効果で得られるものが多いとも言っています。たとえば、ある素晴らしい旅行をしたとして、これを20代のときに経験すれば、死ぬまでに何十年もこの思い出を反芻して充実した思いに浸れるが、この経験を80代でしたとしても、その経験・思い出を反芻する期間は短く、すぐ死んでしまう。そうであれば、経験は少しでも早くした方が良い、という趣旨でした。

この考えにはとても共感します。私もそう思います。

延命治療に多額のお金をかけるなら、その分早くリタイアすべき。

また、別の例も語られていました。それは、延命治療なんてするくらいならその分早くリタイアすべき、というものでした。

例えば、死ぬ間際に余命を数か月伸ばすための高度治療があって、これに1000万円かかったとします。もし十分なお金があるなら、1000万円かけたとしても、寿命を数か月伸ばすという選択をしたかもしれません。

しかし、著者はこう言います。そんなお金があるなら、その分早くリタイアすべきだ、と。

確かに、その通りです。1000万円ということは、年収にもよりますが2年くらい早くリタイアできるとも考えられます。2年早くリタイアできたら、その2年で経験できたこと、残せた思い出は延命治療した数か月よりもずっと価値があるものになっていたのではないでしょうか。

頭を整理するために、再度比較してみます。1000万円余計にためるために、50代で2年余計に働いたとしたら、比較するのは下記の2つということになります。

  • 50代で仕事をしていた2年間と、死ぬ間際(80代くらい)の数か月
  • 50代でリタイアしていろいろな思い出を作れた2年間

この例でいうと、著者は後者の方がはるかに価値が高い、そう言うのです。

これは、確かにその通りです。死ぬ間際の数か月は、もはや体もろくに動かず、どんなにお金をかけてもそこから引き出せる経験・思い出は微々たるもので、ほとんどないといっても良いでしょう。仕事をしている2年間で得られる経験・思い出ももちろんありますが、これはその人が仕事をどれくらい好きかにも依存するでしょう。もし仕事が大嫌いなら、刑務所の中の2年間のようなものにもなりかねません。

一方で、50代でリタイアした2年はどうでしょうか?50代ならまだまだ体は十分に動きます。私がFIRE後の生活で思い描いているようなバイクに乗って日本中をめぐることもできるでしょうし、旅行にもたくさん行けるでしょう。もし独身なら、まだ恋愛もできるかもしれません。

それゆえ、著者は余命を伸ばすためのお金なんていらない。そんな予備的なお金を貯めるために仕事を数年余計に続けるのは馬鹿げている、と言っているのです。

そう考えると、使いもしないお金を残すために数年余計に働く、というのはものすごく無駄に思えます。まさに、私が今この状態にあるのかもしれません。すでに資産は年間生活費の30倍を超えています。私が仕事をまだ続けているのは、単にOne more year症候群だからかもしれません。

でも、子孫にお金を残すことに価値はないのかな?

Die with Zeroの価値観では、お金は使い切って死ぬべきで、お金を使い切らないくらいなら、その分早くリタイアすべき、というものでしたが、使い切らないお金を残す、ということは、それは自分の子供に引き継がれることになります。

子供にお金を残す、のであれば、無駄なお金にはならないのではないか、そんなことについても考えてしまいました。

なお、著者は子供にお金を残すことについては否定していません。むしろ、推奨しているくらいです。ですが、著者が考えているのは、子供に適切なお金を残したら、あとは自分で使い切れ、ということです。

では、子供にはいくら残すのが良いのでしょうか?

これ、ものすごく考えさせられます。なぜなら、これは自分の子供だけではなく、何世代にも渡る子孫に受け継がれていくことになるからです。御存知の通り、格差はどんどん拡大しています。これからもそうでしょう。であれば、いまお金を蓄えておくことで、それがどんどん増えていくことになります。逆に使ってしまうと、子孫に残すお金は激減します。

私の場合、直近10年間くらいは年間約1割ほど資産が増えています。これはちょっと出来すぎな感じもしますが、仮に仕事を続けている間このペースで資産が増加したとすると、65歳で引退するときの資産はざっくり10億円になります。このあとも増加するとしたら、仮に私が85歳で死ぬとなると、この10億は更に増加し、20億とか、40億になっていてもおかしくありません。

これだけの資産を子供、孫に残したら、彼らはどんな生活をするのでしょうか。それが彼らの人生を豊かにするでしょうか?

一方で、私が40代でFIREして、その後Die with Zeroにあるように自分のお金を使い切ったら?

その場合、子供に残すお金は毎年の暦年贈与100万円+運用益となると思われます。

※控除が年間110万円までなので、現在は毎年100万円贈与し、うち80万円はジュニアNISAで運用しています。

シミュレータで毎月8.33万円を50年にわたり年利5%積み立てたとすると、2億円超えになりました。

え?そんなに?

これはちょっと予想外。たしかに元金5000万円と考えると、それくらいになっても全く不自然ではないですね。

ただ、私が65歳まで働き続けた場合の試算である数十億という世界と比べると、随分と少なくなりました。

子供や孫たちに、どんな生活を送ってもらいたいのか。

子供や孫たちにお金を残すにあたり、私が希望するのは、彼らの人生がより豊かになることです。お金を残したことで、かえって不幸になってしまうのであれば、意味がありません。

また、私自身は40代でFIREをしてその後は自由気ままに過ごすつもりですが、子どもたちには最初からそんな生活をしてほしいわけではありません。

自由に生きてほしい、だけど、仕事はちゃんとしてほしい。お金があることで、嫌な仕事ではなく、好きな、自己実現に繋がる仕事をしてほしいと思っています。

そう考えると、残しすぎることはそれはそれで良くないのかな、と思っています。

私の父親は、58歳で早期退職しました。

話は変わりますが、私の父親は58歳で早期退職しました。定年まではあと数年はあります。確か、当時の定年は65歳ではなく、60歳ではなかったかと思っており、2年ほど早くリタイアしたことになります。(もしかしたら再雇用という制度があったからかもしれませんが。)

そして、父は癌を患い、65歳で亡くなりました。

私がFIREを意識しているのは、父が早くになくなったことも大きく影響しています。父は、本来自分が使うはずだったお金を使わずに亡くなりました。そのおかげで、私達兄弟は本来よりも早いタイミングで、本来よりも多くの遺産を引き継ぐことになりました。

私は3人兄弟だったのですが、父は兄弟3人を大学に入れるために、随分と節約していました。外食することはほぼなく、塾にも通わせてもらえませんでした。それでも、我々兄弟は全員旧帝大に入り、日本を代表する一流企業に就職しました。

父の節約もあり、父は我々に大きな資産を残してくれました。実際、私の現在の資産の1/3強は父からの遺産です。相続後運用で増加させたことを考慮すると、半分くらいが遺産といっても過言ではないと思います。

つまり、私が40代でFIREできるのは、父のおかげでもあるのです。

父が早期退職したのは58歳でした。息子はそれより10歳若く早期退職しようとしている。

父ならなんと言うでしょう?父はなんと思うでしょう?

私が資産を子供に残すときに考えるのと同じように、父が私達に遺産を残すときにも私達にどんな生活をしてもらいたかったのか、きっと考えたことでしょう。

私は私が信じる人生を豊かにするための行動を続けるのみです。

そして、子供にもそれを期待します。

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