マイホーム・不動産

持ち家と賃貸、経済的にはどちらが得か?

賃貸は払い損、持ち家は資産になる、は情弱のセリフ

以前FIRE生活、住宅は購入、賃貸どちらがよい?という記事でも書いたのですが、持ち家か、賃貸か、について、ここでは経済的メリットで比較してみることにします。

よくマンション販売業者の人の口説き文句で、「賃貸は掛け捨て、マンションは同じ金額を払ってゆくゆくは資産になる」というものがありますが、この言葉、情報弱者のための言葉だと思っています。

今どき、こんな言葉に騙されて家を買う人がいたら、相当ヤバいと思っています。

まず、大きな勘違いとして、家を買ったら、イニシャルコストはかかるけど、ランニングコストは掛からない、というものがあげられます。

これ、大きな間違いです。家を買ってもランニングコストは掛かります。

主なものだとこんなものです。

  • 修繕積立金(マンションの場合)
    • 戸建の場合も、修繕費はかかります。
  • 管理費(マンションの場合)
  • 固定資産税
  • 設備の修理費、リフォーム代
    • キッチン、風呂、トイレなどは10年から20年で取り替えです。壁紙や床もです。
  • 駐車場代(マンションの場合)

つまり、家に住むということは、それだけでランニングコストがかかるということを知っておく必要があります。

では、このコストは、何に対する対価なのか。

これは、例えばこんなことへの対価です。

  • 雨風をしのげる、快適な空間
  • 通勤に便利な立地
  • スーパーやコンビニが近くにあるという便利さ

つまり、住むということに対して対価が発生するのは当たり前で、家賃は決して掛け捨てではないってことです。

帰属家賃という考え方

ここで、家を買うとしても、借りるとしても、利用価値への対価(家賃)は発生すると考えます。(買った場合は自分に、借りた場合はオーナーに払います。)

例えば、部屋を月15万円で借りているとします。年間で180万円です。

部屋に年間180万円払っているというのは、投資の考え方だとどういう解釈になるでしょうか?

ここで、視点を変えて、オーナーの立場から考えてみます。

オーナーの立場から見ると、オーナーはその物件から年間180万円の利益を得ていることになります。

これは、利回りだと何%になるのでしょうか?

利回りを計算するには、その物件の価格が先にないと決まりません。仮に、この物件が5000万円だったとします。

そうすると、利回りは180万/5000万で、3.6%となります。

これを表面利回りといいます。
(なお、実際はオーナーは修繕積立金や税金、補修等の維持費を払っているので実際の利回りはこれよりも低いです。この例だと、たぶん3%以下です。が、簡単のため表面利回りで議論していきます。)

オーナーの立場から見ると、ただの不動産投資

ここで、再度視点を変えてみます。今度は、先程の5000万円の物件を自分で買ったとして、自分がオーナーの立場になります。

この物件は年間180万円の帰属家賃を生んでいますから、5000万円の資金で表面利回り3.6%の投資をしていることになります。
※180/5000=0.036

もう少し発想を変えてみると、別に部屋を買わなくても、他の投資で年間の家賃180万円を捻出できれば良いという見方もできます。

例えば、5000万円で株や債権などを買い、これの収益を家賃の支払いに当てればよいという考え方になります。

その場合、その投資の期待利回りが3.6%よりも高ければ、マイホームを買うより(金銭的には)有利ですし、それよりも低ければ、マイホームを買えば良いんじゃないか、ということになります。

住宅ローンの本質はレバレッジ投資

でも、5000万円持っていて投資に回せる人なんてそんなにいませんよね?

なので、5000万円持っていたら住宅を買っても株や債券に投資しても同じ、なんていう理論はお金持ちにしか当てはまらないことになります。

一方で、自己資金がない人が5000万円の投資をしようとした場合、住宅ローンならできるわけです。

これが株式投資ならそうはいきません。銀行に行って、株式投資をするから5000万円を金利1%で貸してくれ、と言っても絶対に貸してくれません。(もし貸してくれるなら1億でも借りたいです。)

これが、不動産の場合であれば、5000万円を金利1%以下で借りることができるんです。不動産というのは本当に特別な扱いを受けています。

まさに、住宅ローンの本質は不動産市場へのレバレッジ投資、ということがわかります。

マイホーム購入の最大のメリット

というわけで、私が考えるマイホーム購入最大のメリットは下記の2つです。

  1. レバレッジ投資ができる
  2. メンタルに関係なく、(帰属家賃という)固定利回りが得られる。
    ②は結構大きなメリットだと思っています。5000万円で株式等の投資をして長期に渡って利益を出すのは難しいです。メンタルのせいで得られたはずの利益が得られないことがありえます。なので、②のメリットはかなり大きいと思います。

マイホーム購入が有利となる条件は?

先程、私が考えるマイホーム購入のメリットを2つ上げましたが、これには条件があります。

それは、帰属家賃による収入により、十分な利率が得られること、です。

要は、物件を適切な価格で買えた場合は、メリットが有るってことです。

例えば、利回り1%にしかならなかったら、住宅ローンとの差し引きで利回り0%となり、レバレッジ投資をしている意味がなくなります

住宅価格の理論的な求め方

では、適切な住宅価格はどのように求めるのでしょうか?

前述のとおり、マイホーム購入では、帰属家賃という収益を得ています。この収益率は物件の購入価格によって決まります。

逆に考えると、先に収益率を決めると、その収益率を得るための物件価格が決まります。

例えば、あなたが魅力的な物件を見つけたとします。そこに住むためならう家賃15万円(年180万円)を払っても良いな、と思ったとします。

一方で、帰属家賃による収益率については、インデックス長期投資と同等の5%ほしいと思ったとします。
(ここは超重要な考え方です。マイホーム購入が投資行為である以上、利率の比較対象は貯金ではなくて、他の投資行為となります。)

収益率の計算式としては
帰属家賃(180万)÷物件価格=収益率(5%)なので、
物件価格=帰属家賃÷収益率(5%)となります。

計算すると、180万÷5%=3600万円です。

このような帰属家賃と収益率により物件価格を算出する方法を収益還元法といいます。

収益還元法は利回り次第

収益還元法での物件価格算出ですが、期待利回り次第となります。先程は5%としましたが、期待利回り次第で物件価格が変わります。

例えば、あなたが投資のプロで、利回り7%はほしいと考えたとします。その場合、家賃15万円(年180万)の物件の価格は
180万÷7%=2571万円となります。

逆に、あなたが投資に慎重で、年2%の利回りでも十分と考えるとすると、
180万÷2%=9000万円となります。

考えてみてください

ここで、部屋を賃貸している人に考えてほしいことがあります。

収益還元法5%としたときに、あなたが住む部屋の価格はいくらになるでしょうか?(5%ということは、20年分の家賃です。)

周辺の売買相場を鑑みて、その価格でその部屋を買えると思いますか?

買えたとして、買いたいと思いますか?

新築で期待利回り5%の物件なんて皆無

インデックス長期投資の知識を持っている人なら、インデックス長期投資の利回りとしては、5%はほしいと考えると思います。(S&P500の30年平均利回りは7.1%でした。)

先程の月15万円の部屋を買おうとして、皆さんの家の周りで、新築で3600万円で売っているところはあるでしょうか?

おそらく、ほとんどないのではないでしょうか?首都圏であれば、多分6000万円前後はするのではないでしょうか?都心ならおそらくもっとです。つまり、新築マンションの購入は割高で、投資的な旨味はあまりないと考えています。

仮に、住宅購入予算が5000万円だったとします。

それくらいで買える物件だと、首都圏の一戸建てなら駅から徒歩20分とか、バスになると思います。あるいは、駅近でもペンシルハウスで窓開けたら隣の家という感じになるのではないでしょうか。

マンションだと、都内まで1時間以内、駅10分以内とすると60m2くらいでしょうか。

その物件に家賃を払うとしたら、いくらなら払うでしょうか?15万だと高いでしょうか?新築で綺麗だし、設備も良ければ13万円くらいならOKでしょうか?

5000万円の家の家賃(帰属家賃)が13万円だとして、利回りを計算してみます。

13万×12ヶ月÷5000万= 3.12%です。
※表面利回りです。

実際は修繕積立金、管理費、固定資産税など、色々かかるので、それらを差し引いて月10万とすると、10万×12ヶ月÷5000万=2.4%ということになります。
これを住宅ローン1%で借りるとすると、差し引き1.4%の利回りとも考えられます。レバレッジして1.4%の投資したいでしょうか?

5000万円の新築を買うくらいなら

5000万円の家というのは、収益還元法で利回り5%とすると、月の帰属家賃が20.8万円という計算になります。

家賃20.8万円もあれば、都内のもっと利便性が良い場所とか、同じくらいのロケーションならもっと広い部屋に住めそうです。

そう考えると、私は5000万円の家を買う気にはなれません。

買うなら中古?

上記の考察の通り、新築物件で高い利回りを得るのは難しいと考えています。

となると、中古が選択肢になります。

中古なら十分魅力的な利率が得られる物件もあると思います。

実際、私は住んでいた賃貸マンションを、収益還元法6%となる金額で買い取っています。

これならば、実質利回りでもおそらく4%ほどにはなっていて、レバレッジ投資をした意味があるものと考えています。

結論

経済的に見て、持ち家と賃貸どちらが良いか、結論としてはこうなります。

  • 中古住宅を、十分に安い金額で取得できるなら、買うことにメリットがある。
  • 住宅ローンを安い利率で借りれるなら、レバレッジ投資と同じ効果がある。
  • 新築住宅購入はほとんどのケースで損。珍竹住宅を買うくらいならずっと賃貸のほうが良い可能性が高い。

皆さんはどのようにお考えでしょうか?まだ住宅を購入していない方々の参考になれば幸いです。

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